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  4. 平面型ボイスコイルモータ(VCM) の駆動力解析事例

静解析モジュール (F-MAG-ST) 適用例

磁場/磁界 有限要素法 過渡応答

ボイスコイルモータ駆動力解析事例

下図のような平面型ボイスコイルモータ ( VCM ) に交流電流を印加した時に、コイルに働く駆動力が時間とともにどのように変化するのか磁界解析ソフトウェア F-MAGで過渡応答解析を行いました。

平面型ボイスコイルモータ外観図

平面型ボイスコイルモータ外観図

VCM ( Voice Coil Motor )は直進運動を発生させる一種のリニアモータです(リニアアクチュエータとも呼ばれます)。 スピーカと同じ原理で推力を発生するため、その名がつけられました。
鉄芯が動くソレノイドと異なり、可動部がコイルのため、「ムービングコイル型アクチュエータ」とも呼ばれます。
磁石とヨークで磁気回路を構成し、そこに生成した磁界の中に可動可能なコイルを配置しています。
フレミングの左手の法則により、磁界中のコイルに通電すると、磁束と電流の作用で推力が発生します。
電流の方向を逆にすると推力は逆方向となり、負荷を逆方向に駆動します。
このため電流制御で双方向への駆動が可能です。小型で強力な磁石で磁界を生成することにより、小型ながら大きな推力を実現することができます。

VCMの概念図

今回使用した「ヨーク」は非線形磁化特性を持ち、特性図は下図の通りです。

コイルに印加する電流は、下図のように時間的に変化します(過渡応答解析)。

今回は上図のA点(印加後0.002秒)とB点(0.014秒)の計算結果を表示します。

今回、可動部はコイルになります。
コイルは電流が時刻関数グラフの、A点では右側に、B点では左側に変位します。

可動コイルの変位方向

下図の断面(赤色破線枠内)の計算結果を以下に表示します。

メッシュモデル(1/2モデル/空気領域省略)

~" 磁束密度コンター図 (単位:T):コイル非表示

A点 (電流印加後 0.002秒後)

B点 (電流印加後 0.014秒後)

~" 磁束密度ベクトル線図 (単位:T):コイル非表示

A点 (電流印加後 0.002秒後)

B点 (電流印加後 0.014秒後)

磁石により発生する磁界がコイルの電流により発生する磁界より大きいので、コイルの電流の大きさ、方向が変化しても、全体の磁界はあまり変化しません。(磁石による磁界の最大値:2T/コイルによる磁界の最大値:0.004T)

そこでコイルの電流により発生する磁束の方向を確認するために、磁石の磁化を除いてみました。
結果は下図の通りです。

~" 磁束密度分布コンター図 (単位:T):コイル非表示

磁束密度の最大値が[2T]から[4x10-3T]に小さくなっているのがわかります(白色破線内)。

A点 (電流印加後 0.002秒後)

B点 (電流印加後 0.014秒後)

~" 磁束密度ベクトル線図 (単位:T):コイル非表示

磁束密度ベクトル線図で方向を確認すると、コイル周りの磁束の向きが逆方向になっているのがわかります(赤色破線内) 。
時刻関数グラフのA点とB点では電流の方向が逆になっているので、磁束密度ベクトル線の方向も逆になっています。

A点 (電流印加後 0.002秒後)

B点 (電流印加後 0.014秒後)

~" コイルに働く駆動力

最大値を[1]と した場合の相対値をグラフに表す値下図のようになります。

この解析は磁界解析ソフトウェア F-MAG で行いました。F-MAG についてはこちらへ

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