この世の中には様々な力がありますが、電気や磁気による力は不思議な感じがします。
それはその他の身近に感じる力のほとんどが、物体と物体とが接することによって生まれる力であるのに対して、この力は互いに触れあうことなく直接に力を及ぼすからです。
このような力としては、他に地球から受ける重力がありますが、これはあまりにも身近で、いつも感じている力なのでそれほど奇異には感じません。
部屋のドアを開けたり、パソコンのキーボードをたたいたり、ペンで字を書いたりする時の力は、手や指などと物体とが接することによって感じることのできる力です。これに比べて磁石と磁石を近づけていくと、磁石同士が触れてなくとも互いに引き付けたり、反発する力が働きます。
また、テレビの画面などにホコリや髪の毛が吸い付けられることがありますが、この力も磁石と同じように触れることなく働く力ですが、この力は磁気によるものでなく電気による力です。
これから、このような力を及ぼす電気や磁気について考えていきます。
まず、電気や磁気があることはどのようにして知ることができるかといいますと、まさにこのような不思議な性質を持った力の存在によって知ることができます。
また、これらの力が地面から受ける重力とは違ったものであることは、重力が全ての物を引き付けるのに対して、この力が電気や磁気を持ったもの同士でないと働かないことからわかります。
最初に電気を持ったものを考えます。
これに磁石を近づけても力は働きませんが、同じように電気を持ったものを近づけると引き付ける力、つまり吸引力や反発力が生まれます。
次に、電流を考えます。
これに磁石を近づけますと、今度はこの電流が力を受けることが分かります。学校では電流は、電気を持ったものが流れているので電流と言う、と教わります。
それでは、なぜ磁石の力を受けない電気が電流となれば力を受けるのでしょうか。
電流は電気の流れといいましたが、電気が流れる、つまり電気を持ったものが運動すれば磁石から力を受けることができるのです。
このような力を考えることによって、電気や磁気の存在を知るだけでなく、これらの性質を定量的に調べることができます。
次回からは、具体的に電気や磁気の性質を調べていくことにします。
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