周波数応答解析 ( EDDYjω、WAVEjω、VOLTjω、ELASjω )を行なうと複素数の結果が得られます。
このような複素数表現は回路において交流を扱う場合などに良く使われていますが、もう少し詳しく考えてみたいと思います。
周波数応答解析は単一の周波数のみが関係し、他の周波数成分が混ざってこない場合に利用されます。
場の間に線形の関係がある場合( Maxwellの方程式は線形微分方程式です )には、位相は違っても全ての場は同じ周波数でsin的に変化すると考える事ができますので、他の周波数成分が混ざりません(sinの2乗の項等が出てきません)。
このため、例えば磁場解析の場合には位相分も考えて磁束密度Bを
の様に定義します。
ここでReは複素数の実部を取る操作ですが、これは微分などと順番を変えても良いことからこの実部を取るという操作は微分を行なった後にすることにすると複素場 Bcの満たす方程式は、Maxwellの方程式から
となります。 周波数応答解析の場合にはこの方程式を解く事になります。 この方程式の解Bc、Ec等が得られますと実部と虚部の2つの情報だけから任意の時間 の場が計算できます((1)式より)。
また実部は t=O(入力と同位相)の場合の分布を表しており、虚部は t=-T/4 での 分布を示しています。