電磁弁の吸引力解析事例
磁界解析には、磁石あるいは直流電磁石などを対象とした静磁界解析、コイルに交流を流した時に導体に発生する渦電流を対象とした動磁界解析があります。
今回は右図のような電磁弁の コイルに交流電流を印加した時に、可動子に働く吸引力が時間とともにどのように変化するのか磁界解析ソフトウェアF-MAGで評価解析しました (過渡応答解析)。
このモデルは形状および磁界分布が軸対称になるため、中央断面の2次元軸対称モデルとして解析しました。
図1:電磁弁外観図
解析仕様は以下の通りです。
[比透磁率]
・空 気: 1.0
・コイル: 1.0
・ヨーク: 非線形( B-H ) ※
・固定子: 1000
・可動子: 1000
※ ヨークに使用した非線形磁化特性は下図の通りです。
図2:ヨークの非線形磁化特性
[解析条件]
・コイルの電流: 1[A]
・コイルの巻数: 1000 [turn]
※ コイルに印加する電流は、下図グラフのように時間的に変化するものとします。
図3:コイルに印加する電流時刻歴関数グラフ( 印:結果表示点)
図4:F-MAG外観図 (ソリッドデータ読込み時)
解析結果は下図の通りです。
磁束密度分布コンター図 (通電後0.002秒後 :コイルは非表示) |
磁束密度ベクトル線図 (通電後0.002秒後 :コイルは非表示) |
磁力線図 (通電後0.002秒後 :コイルは非表示) |
磁束密度分布コンター図 (通電後0.006秒後 :コイルは非表示) |
磁束密度ベクトル線図 (通電後0.006秒後 :コイルは非表示) |
磁力線図 (通電後0.006秒後 :コイルは非表示) |
磁束密度分布コンター図 (通電後0.016秒後 電流最大:コイルは非表示) |
磁束密度ベクトル線図 (通電後0.016秒後 電流最大:コイルは非表示) |
磁力線図 (通電後0.016秒後 電流最大:コイルは非表示 |
コイルに流れる電流の方向が逆になると、磁束の方向も逆向きになることがわかります。
磁束密度ベクトル線図
(通電後0.016秒後電流逆方向に最大:コイルは非表示)
磁石により発生する磁場がコイルにより発生するものより大きく、電流の大きさと方向が変化しても、全体の磁場にはあまり影響がないことがわかります。
この解析事例につきましては、次の動画でご覧いただけます。
この評価解析は磁界解析ソフトウェア F-MAG で行いました。
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