コンデンサの変位電流解析事例
1.概要
下図に示すような平行平板コンデンサに正弦波交流電圧を加えた時に流れる変位電流を電界解析ソフトウェアF-VOLTによる評価解析で求めました。 (周波数応答解析)
1-1.解析モデルの概要
今回解析しました平行平板コンデンサの外観は図1の通りです。
図1:平行平板コンデンサ外観図
図2:平行平板コンデンサの形状寸法(単位:mm)
図3:平行平板コンデンサの接続回路図 |
図4:平行平板コンデンサの等価回路図 |
1-2.解析仕様
物性条件
比誘電率 | 電気伝導率(S/m) | |
---|---|---|
誘 電 体 | 2.0 x 102 | 0.0 |
平 板 (銅) | 1.0 | 4.0 x 107 |
導 線 | 1.0 | 1.0 x 103 |
計算領域(リード線) | 1.0 | 1.0 x 103 |
解析条件
コンデンサの端子に電圧16[V]、周波数1[MHz]の正弦波を印加しました。
図5:設定電位
2.解析結果
2-1.電流の理論値と計算結果の比較
今回の解析モデルを等価回路で表わすと下図のようになります。
入力電圧をv = 16sin(ωt)としたとき、この回路に流れる電流は
となり、この実部は
となります。解析モデルより、導線の抵抗は
となります。 また、コンデンサでは、印加されている正弦波交流電圧より90°位相の進んだ正弦波電流(変位電流)が流れますので、コンデンサに流れる電流 の理論値は
今回の解析計算の結果では、コンデンサに流れる電流(変位電流)は次のようになります。
以上のように、理論値と実際の計算結果を比較すると、ほぼ同じ結果になりました。
図6:変位電流密度分布コンター図 (単位:A/m2)
この評価解析は電界解析ソフトウェア F-VOLT で行いました。
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