誘導加熱は高周波誘導加熱、電磁誘導加熱とも言われます。
コイルに電流を流すと、その周りには交番磁界が発生します。
この交番磁界中に金属などの導体を置くと、導体内には磁束の変化を妨げる方向に[うず電流 ]が流れます。
導体には電気抵抗があるためジュール熱が発生し、導体が加熱されます。
この現象は[ 誘導加熱 ]と呼ばれています。
(1) コイルに直流電流を流すと、コイルの周囲には時間的に変動しない、 定常的な 磁界が発生します。
(2) コイルに交流電流を流すと、コイルの周囲には下図のように時間的に変動する交番磁界が発生します。
交番磁界が発生すると、コイルの周囲には、磁界の変化に誘導された逆向きの起電力が生じます。
この現象は、「ファラデーの電磁誘導の法則」と呼ばれています。
(3) さらに、コイルの近傍に導体を配置すると、発生した逆起電圧により導体中に誘導電流が発生します。
この電流は「渦電流」と呼ばれています。
渦電流は、電流密度が導体の表面に近いほど大きく、内部方向に指数関数的に小さくなります。これは表皮効果と呼ばれ、交流電流の周波数が高くなるほど電流が表面に集中します。
この表皮層の深さは以下の式で表わされます。
(δ:表皮層の深さ σ:導体の電気伝導率 μ:導体の透磁率 f:電流周波数)
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