常温の鋼帯の幅方向を円形に変形させ、接合(抵抗溶接)する、電縫工程をシミュレーションしました。
円形に変形された鋼帯の周りにコイルが巻かれて、そのコイルに交流電流が通電されると鋼帯には渦電流が発生します。
通常、渦電流は鋼帯のコイルの内側に接して流れますが、図1のように端と端が短絡していないと、溶接により接合している部分に渦電流が集中し、局部的な発熱による抵抗溶接が継続します。
このプロセスを誘導加熱連成解析ソフトウェア F-MAG-IH でシミュレーションしました。
最初に渦電流による発熱解析を行い、次に熱伝導解析を行って、時間とともに変化する温度分布を解析しました。
解析モデルの外観図は図1の通りです。
図1 解析モデル外観図
磁界の対称性を考慮し、1/2モデルで解析しました。
コイルには、周波数が800kHzで、電力値が500kWとなるように電位を印加しました。
磁束密度分布、渦電流密度分布、発熱分布ともに、数10μmの厚さの表皮層に生じていることがわかります。
図2 磁束密度分布コンタ図
図3 渦電流密度分布コンター図 |
図4 発熱密度分布コンター図 |
各時間経過後の温度分布は以下の通りです。
図5 温度分布コンター図(発熱開始0.2秒後) |
図6 温度分布コンター図(発熱開始5秒後) |
発熱開始から10秒後までの温度分布のアニメーションは右図の通りです。
図6 温度分布変化
(発熱開始から10秒後までのアニメーション)
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