高周波誘電加熱解析事例
1.概要
1-1. 解析テーマ :高周波誘電加熱・熱伝導連成評価解析 (周波数応答+過渡応答)
1-2. 解析内容 :誘電体に高周波電界を加えると、そのエネルギーの一部が誘電体内部で熱となって失われます (誘電損失)。
その原理につきましては、こちらを参照してください。
今回は下図のようなモデルの誘電体に対して交流電界を加えた時に生じる 誘電損失を計算し、それに伴う発熱で、時間とともに変化する温度分布を解析しました。
1-3. 解析ツール : 高周波誘電加熱・熱伝導連成解析ソフトウェア F-VOLT with Nastran
1-4. 解析モデルの概要
今回解析しましたモデルの外観形状は図1の通りです。
電界解析ソフトウェア F-VOLTによる高周波誘電加熱解析事例ではハーフモデルで解析しましたが、 今回はフルモデルで解析しました。
図1 : ソリッドデータ外観図
2.高周波誘電加熱解析
最初に高周波誘電加熱解析を行ないました。
2-1.解析仕様
物性条件
比 誘 電 率 | Tanδ | |
---|---|---|
誘 電 体 | 6.0 | 0.01 |
空 気 | 1.0 | - |
解析条件
図2のように、各電極に[10000v]および[0v]を設定しました。
周波数は[10MHz]です。
図2 : 電位設定図
2-2.解析結果
電界分布
図3 :水平断面(中央)の電界分布コンター図 (単位:V/m) |
図4 :電界分布コンター図 (単位:V/m) |
発熱分布
図5 :水平断面(中央)の発熱密度分布コンター図 (単位: W/m3) |
図6 :発熱密度分布コンター図 (単位:W/m3) |
3.熱伝導解析
次に熱伝導解析を行ないました。
3-1.解析仕様
物性条件
3-2.自然対流条件
[ Nastran ]では物体表面の自然対流による放熱を考慮できますので、時間とともに変化する解析対象物の正確な温度変化を解析することができます。
下のグラフは解析対象物の表面の自然対流境界条件で、上面、下面、側面の温度と熱伝達率の関係を示しており、正確に温度依存性を考慮できます。
自然対流境界条件
3-3.解析結果
温度分布
発熱後10秒後の温度分布 (単位:℃)
発熱後30秒後の温度分布 (単位:℃)
発熱後60秒後の温度分布 (単位:℃)
この評価解析は高周波誘電加熱・熱伝導連成解析ソフトウェア F-VOLT with Nastranで行いました。
F-VOLT with Nastran につきましてはこちらへ
評価解析につきましてこちらへ
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